中学から高校の英語の授業で「秋」はフォール(fall)と習ったと思います。
でも、普段の生活で「秋」のことをフォールとはあまり言わず、ショッピングモールなどで「オータムセール!」とか「オータムジャンボ★」と、耳にすることが多いのはオータム(autumn)ですよね。
実はこのオータムとフォール、調べてみるとなかなか面白い歴史があったんです。
そしてこのニュアンスの違いがわかればテストに出てきた時などに迷うことも少なくなるはずです。
オータムとフォールの歴史
同じ意味の言葉がどうしてふたつあるのか?
その秘密はイギリスからアメリカ大陸へ大勢が移民した時代までさかのぼります。
- 17世紀にイギリスからアメリカ大陸へ、移民とともに海を渡ったのが「フォール(fall)」
- そして、その後のイギリスにフランスからオータム(autumn)という単語が入ってきました。
もとは「収穫期」を意味するラテン語です。
そうしてオータムはイギリスで当時の若者を中心に「カッコイイ!」「イケてる」言葉として広まり、イギリスでフォールはすっかり使われなくなってしまいました。一方のアメリカではフォールのまま今も使われています。
こういういきさつがあってフォールはアメリカ・カナダで使われ、オータムはイギリス・オーストラリア・ニュージーランドで使われているのです。
微妙なニュアンスの違い
このフォールとオータム、実は微妙にニュアンスの違う意味を持っていて、
フォールは主に「落ちる」という意味で、秋には木から葉が落ちることから「秋」の意味で使われるようになった言葉ですが、オータムはフランスで「収穫期」という意味で秋を表していた言葉でした。
どちらかというと季節に使われるフォールは枯れていく様子、オータムは穀物が実る様子、というニュアンスを含んでいます。
日本でよく『オータムセール!!』という風に使われるのは「収穫」のイメージから「どっさり収穫して(買って)ってちょーだい〜!」的な意味合いを持たせているんだと思います。
学校ではフォールのほうがメジャー?
わたしが学校で英語の授業を受けていた頃はもう20年以上も前になるので、今は変わっているかもしれませんが、
オータムも習いはしましたが、どちらかというと「オータムと言うこともあるけどね」的な扱いだったように記憶しています。
やはり日本はアメリカから色々な文化を取り入れてきましたから、英語もアメリカ英語が主流なのでしょうね。
ですので学校での授業やテストでは秋といえば「フォール」を使うのが今でも無難なのではないでしょうか。
あえて「収穫期はなんという?」と聞かれたらオータムが正解かもしれませんが。
まとめ
- フォールはイギリスからアメリカへ移民とともに渡り、
主にアメリカ・カナダで使われている。 - オータムはその後フランスからイギリスへ渡った「収穫期」を意味する言葉。
使われている国はイギリス・オーストラリア・ニュージーランド。
この2つの言葉には「ただしい使い分け」というものは無く、秋はアメリカ英語ではフォール・イギリス英語ではオータムと言う風に、「使われる国が違う」というのが正解です。
なのでアメリカのブランド物を扱うお店が「オータムセール!」などとやっていたら「お前アメリカいったことないやろ!」とツッコまないといけません(笑)
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当ブログの「言葉の違い」についての記事をまとめた特集ページ。なんとなくで使ってた言葉が実は全くの別モノだった!そんな面白い発見をしてもらえると嬉しいです。オータムとフォール、ジャンルとカテゴリ等々、違いを説明できますか?