「引っ越し」か「引越し」か。
これ、転居ハガキを書こうとした時に迷ったことなんです。
あと、「引越」でも ひっこしと読みますよね。
パソコンで変換すると上の3つが出てくるけど、
どれ?
書こうとしたのは「ひっこしました」という挨拶。
とりあえずこの場合、正解は
です。
じゃあ他の2つはなぜ違うのか?
一説にはどれも同じで「どれでも良い」という話もありますが、
使われ方を見ていくとどうやら明確に違いがあるんです。
それぞれの使われ方と意味を知っておけばもう迷わないはず!
「ひっこし」の使い方
- 引っ越し
- 引越し
- 引越
それぞれがどこでどう使われているのか、見ていきましょう〜!
引っ越し
まずは「引っ越し」、日本の文部科学省による「送り仮名の付け方」という文書にのっとった正しい書き方になります。
送り仮名の付け方:文部科学省
[sc_Linkcard url="https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/okurikana/index.html"]
↑
ちょっと読みにくいページですけど(苦笑)
そこちらの【通則6】によると
ということになっているんです。
文部科学省サイトの内容が更新されていました。現在は
複合の語(通則7を適用する語を除く。)の送り仮名は,その複合の語を書き表す漢字の,それぞれの音訓を用いた単独の語の送り仮名の付け方による。
となっています。
少し表現が変わったようですが、どちらにしても「日本語」としては間違いではなさそうです。
ただ、もう一つ付け加えられているのが後の2つ(引越し・引越)でも
「読み間違えることが無いと判断されるものについては省略してもよい」
と書かれているので、やっぱりどれでも間違いではない、ということになります。
ただ、文章の中で使う場合によく言われることなのですが、
促音(小さい「つ」)を多用すると、ちょっと子供っぽく見えるんです。
それに、送り仮名を「動詞」として付けていることになるので、この「引っ越し」という書き方の場合は
という挨拶や
というような会話文に使われます。
口語、というやつですね。文章内のセリフにはこれが自然だと思います。
なので、転居ハガキの題名として「引っ越しのご連絡」などといった使い方にはちょっと違和感がありますね。
引越し
つぎに1語目に送り仮名無しで2語目のみ送り仮名をつける「引越し」
さきほどの文科省ルールによれば、ちょっと間違い。
でも、読み間違いはしないでしょうからオッケーですよ。という書き方ですね。
意味合い的には先程の動詞とはちがって「名詞」的なニュアンスです。
1語目に送り仮名をつけないのもそういう意味からだと思われます。
ですので
- 「ひっこしました」は「引っ越しました」
- 「ひっこししました」は「引越ししました」
となるわけです。
引越
「引越」の2文字でも「ひっこし」と読みますが、
あまり文章の中で使ったりはしませんよね。
これは業務用語として使われることが多い書き方になります。
たとえば、かの有名な「ひっこしやさん」
- サカイひっこしセンター
- アリさんマークのひっこし社
送り仮名、覚えていますか?
サカイ引越センター会社情報[sc_Linkcard url="http://www.hikkoshi-sakai.co.jp/company/"]
アリさんマークの引越社 会社情報[sc_Linkcard url="http://www.2626.co.jp/information/"]
どちらも「引越」を使っていますね。
このように社名やちょっとお堅い文書などで使われる業務用語とおぼえておくと良いでしょう。
では、さいごに「ひっこし」についてまとめておきますね。
「ひっこし」まとめ
文部科学省の見解
まめちっぷす的見解
引っ越し | 文章における動詞 「口語」 |
引越し | 文章、文書で使われる名詞 「文語」 |
引越 | 社名や文書の題名などに用いられる 「業務用語」 |
ひっこしの漢字・送り仮名について、スッキリしていただけましたでしょうか。
私は自分で調べてみてかなりスッキリしました(笑)
関連記事
言葉の違い特集!あいまいな言葉の違いがスッキリわかる!
当ブログの「言葉の違い」についての記事をまとめた特集ページ。なんとなくで使ってた言葉が実は全くの別モノだった!そんな面白い発見をしてもらえると嬉しいです。オータムとフォール、ジャンルとカテゴリ等々、違いを説明できますか?